調剤薬局がしんどい

投薬が多すぎて薬歴まで回らない薬剤師へ|崩れる原因を分ける

薬剤師の逃げ道編集部

投薬が続いて、薬歴まで手が回らない。

患者さんが途切れない。
監査も投薬も続く。
電話や問い合わせも入る。
気づいたら閉局時間。
薬歴だけがずっと残っている。

そんな日が続くと、「自分の段取りが悪いのかな」「もっと早く薬歴を書けないとダメなのかな」と、自分を責めてしまうことがあります。

ゆらぎ薬剤師
ゆらぎ薬剤師

投薬がずっと続いて、薬歴を書くタイミングがありません……。閉局後にまとめて書くのが当たり前になっていてしんどいです。

結論からいうと、投薬が続いて薬歴まで手が回らないときは、個人の努力だけでなく「投薬量・薬歴時間・人員体制・中断・閉局後作業」を分けて見ることが大切です。

薬歴を書くスピードを上げる工夫も大切です。

でも、そもそも投薬が途切れず、入力する時間が勤務中にない職場では、どれだけ頑張っても薬歴は残りやすくなります。

この記事では、投薬が続いて薬歴まで手が回らないときに、まず整理したいことをまとめます。

この記事の結論

・投薬が続くと、薬歴を書く時間は消えやすい
・薬歴が残るのは、自分の入力速度だけの問題とは限らない
・投薬量、人員体制、中断の多さを分けて見る
・閉局後や休憩中に薬歴を書く流れが続くなら注意
・求人票では「薬歴を勤務時間内に書ける体制か」を確認する

投薬と薬歴が詰まる流れについて整理した薬剤師向け図解

投薬が続くと、薬歴を書く時間はなくなりやすい

投薬が続いて薬歴まで手が回らないとき、一番大きいのは「書く時間がない」ことです。

薬歴は、時間があれば書けるかもしれません。

でも、患者さん対応が途切れず、監査や投薬がずっと続くと、記録する時間が後ろに押し出されます。

そして、閉局後にまとめて薬歴を書くことになります。

しおり先輩
しおり先輩

薬歴が残るときは、まず「書くのが遅い」のか「書く時間がない」のかを分けて考えましょう。

薬歴が毎日残ると、「自分が遅い」と感じやすいです。

ただ、勤務中に入力する時間がほとんどないなら、個人の努力だけでは限界があります。

薬歴が終わらない原因をもう少し広く見たい場合は、薬歴が終わらない薬剤師が先に見直したいことの記事でも整理しています。

原因1:忙しい時間帯に投薬が集中している

投薬が続く原因の一つは、忙しい時間帯に処方箋が集中していることです。

午前の外来後。
夕方の仕事帰り。
閉局前。
土曜の午前。
連休前後。

このような時間帯に患者さんが集中すると、投薬が途切れにくくなります。

薬歴を書くタイミングがないまま、次の患者さん対応に入る流れになりやすいです。

投薬が集中しやすい時間帯

・午前診療後
・夕方の混雑時間
・閉局前
・土曜午前
・連休前後
・門前の診療時間が終わる直後
・処方内容が重い患者さんが重なる時間

投薬が集中する時間帯に薬剤師が少ないと、薬歴はどうしても後回しになりやすいです。

忙しい時間帯の薬剤師数や、薬歴を書く時間が別で確保されているかを見てみましょう。

原因2:投薬と薬歴の分担がない

投薬が続いて薬歴まで手が回らない職場では、業務の分担が曖昧なことがあります。

誰かが投薬を続ける。
誰かが監査を続ける。
でも、薬歴を書く時間や担当が決まっていない。

この状態では、薬歴は空いた時間に書くものになりやすいです。

そして、空いた時間がない日には、薬歴だけが残ります。

薬歴を勤務内で終えやすい条件について整理した薬剤師向け図解

薬歴を勤務時間内に終えやすい職場では、投薬と薬歴の流れがある程度整理されていることがあります。

たとえば、混雑が落ち着いた時間に薬歴を書く、投薬と入力を交代する、薬歴時間を意識して人員配置するなどです。

分担で確認したいこと

・投薬と薬歴を交代できるか
・薬歴を書く時間が決まっているか
・忙しい時間帯の役割分担があるか
・監査、投薬、入力が一人に偏っていないか
・薬歴が残ったときのフォローがあるか
・閉局後に残る前提になっていないか

投薬も薬歴も一人で抱える流れになっていると、勤務時間内に終えるのは難しくなります。

「自分が遅い」だけでなく、分担の仕組みがあるかを見てみましょう。

原因3:中断が多くて薬歴に集中できない

投薬の合間に薬歴を書こうとしても、中断が多いと進みません。

電話が鳴る。
在庫を聞かれる。
事務さんから確認が入る。
患者さんから質問される。
疑義照会の返答が来る。

こうした中断が続くと、薬歴を書き始めてもすぐ止まってしまいます。

中断が多い職場では、薬歴にかかる時間が単純に伸びます。

集中して10分あれば書ける内容でも、何度も止まれば20分、30分とかかることがあります。

薬歴が進まないときは、入力速度だけでなく、中断の多さも原因として見ておきましょう。

原因4:薬歴を書く場所や時間がない

薬歴を書くためには、時間だけでなく、書ける場所や流れも必要です。

入力端末が足りない。
投薬台の近くで落ち着いて書けない。
薬歴を書いているとすぐ呼ばれる。
閉局後にまとめて書く前提になっている。

こうした職場では、薬歴を書く環境が整っていない可能性があります。

薬歴を書く環境で確認したいこと

・入力端末は足りているか
・薬歴を書く場所があるか
・投薬後すぐ入力できる流れか
・薬歴時間に呼ばれ続けないか
・閉局後にまとめ書きする前提になっていないか
・薬歴システムに慣れる時間があるか

薬歴を書く場所や流れがない職場では、個人の工夫だけで改善しにくいことがあります。

「書く場所がない」「端末が足りない」「呼ばれ続ける」状態なら、職場の仕組みとして見直す必要があるかもしれません。

原因5:休憩中や閉局後に薬歴を書くのが当たり前になっている

投薬が続いて薬歴まで手が回らない職場では、休憩中や閉局後に薬歴を書くのが当たり前になっていることがあります。

休憩中に薬歴を書く。
閉局後にまとめて入力する。
残業して薬歴を終わらせる。
それが毎日の流れになっている。

この状態が続くと、体も気持ちも休まりません。

閉局後に残りやすい作業について整理した薬剤師向け図解

休憩時間が薬歴時間になっているなら、実質的には休めていない可能性があります。

また、閉局後に毎日薬歴が残るなら、勤務時間内の業務設計に無理があるかもしれません。

休憩・閉局後で見たいこと

・休憩中に薬歴を書くのが当たり前か
・閉局後に毎日薬歴が残るか
・残業として扱われているか
・薬歴以外の閉局後作業も多いか
・薬歴を勤務時間内に書く時間があるか
・休憩を実際に取れているか

休憩や閉局後で薬歴を埋める働き方が続くと、疲れが抜けにくくなります。

毎日のように続いているなら、一度、上司や管理者に相談する内容として整理してもいいと思います。

まず自分で見直せること

投薬が続いて薬歴まで手が回らないときでも、自分で見直せることはあります。

ただし、ここで大切なのは「自分だけが悪い」と思い込まないことです。

できる範囲の工夫と、職場環境の問題を分けて考えましょう。

自分で見直せること

・よく使う表現を整理する
・テンプレートを使えるか確認する
・記載で迷う部分を先輩に聞く
・投薬後すぐメモできる項目を決める
・時間がかかる薬歴の共通点を見る
・薬歴システムのショートカットや機能を確認する

こうした工夫で少し楽になることもあります。

ただ、投薬がずっと続き、入力時間がまったくない職場では、個人の工夫だけでは限界があります。

その場合は、業務分担や人員体制、薬歴時間の確保も含めて考える必要があります。

職場に相談するなら、感情より状況を整理する

薬歴が終わらない状態を職場に相談するときは、感情だけで伝えるより、状況を整理して伝える方が話しやすいです。

「薬歴がつらいです」だけだと、相手に伝わりにくいことがあります。

どの時間帯に投薬が集中しているのか。
薬歴が何件残るのか。
休憩中に書いているのか。
閉局後に何分くらい残っているのか。
どの業務で中断されるのか。

こうして具体的に整理すると、相談しやすくなります。

相談前に整理したいこと

・薬歴が何件残ることが多いか
・どの時間帯に投薬が集中するか
・休憩中に薬歴を書いているか
・閉局後に何分くらい残るか
・中断が多い業務は何か
・薬歴時間を作る余地があるか
・人員配置で変えられそうな点はあるか

もちろん、すぐに改善するとは限りません。

ただ、自分の中で状況を言語化するだけでも、「何が一番つらいのか」が見えやすくなります。

求人票では「薬歴時間」と「人員体制」を確認する

薬歴が残る悩みがある人は、求人票を見るときも注意したいです。

勤務時間や給与だけを見ても、薬歴が勤務時間内に終わるかは分かりません。

求人票や面談では、処方箋枚数、薬剤師数、事務人数、忙しい時間帯、薬歴時間をセットで確認しましょう。

求人票・面談で確認したいこと

・処方箋枚数はどれくらいか
・忙しい時間帯はいつか
・薬剤師は何人いるか
・事務さんは何人いるか
・薬歴は勤務時間内に書けるか
・投薬と薬歴の分担はあるか
・閉局後に薬歴が残りやすいか
・一人薬剤師の時間はあるか

求人票全体の見方に迷う場合は、薬剤師の求人票で先に見るべき条件を整理の記事でも、勤務時間・休憩・人員体制の見方をまとめています。

「残業少なめ」と書かれていても、薬歴が勤務時間内に終わるとは限りません。

薬歴で悩んだ経験があるなら、具体的に確認しておきましょう。

今の薬局がしんどいときに整理したいこと

投薬が続いて薬歴まで手が回らない状態が続くなら、今の職場で何が起きているのかを整理してみましょう。

毎日薬歴が残るのか。
特定の曜日だけなのか。
忙しい時間帯に人が少ないのか。
薬歴を書く時間がないのか。
休憩中に書いているのか。
閉局後に毎回残っているのか。

ここを分けると、今の職場で相談できることと、職場条件そのものを見直した方がよいことが見えやすくなります。

調剤薬局のしんどさを広く整理したい場合は、調剤薬局がしんどいと感じたときに先に整理したいことの記事も参考になります。

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薬歴残業が体調に影響しているとき

投薬が続いて薬歴まで手が回らない状態が続き、体調に影響が出ている場合は注意が必要です。

眠れない。
休みの日も薬歴が気になる。
出勤前に動悸がする。
食欲が落ちている。
閉局後の残業を考えるだけでつらい。

こうした状態が続く場合は、求人を見るより先に、休むことや相談することを優先してください。

強い不安や体調不良が続いている場合は、職場の上司・人事・産業医・かかりつけ医・公的な相談窓口など、職場の外も含めて相談先を確保してください。この記事は医療判断や労務判断ではなく、働き方を整理するための内容です。

薬歴が勤務時間内に終わる職場条件を見たいとき

投薬が続いて薬歴まで手が回らない状態が続くなら、今の薬局だけで抱え込まなくて大丈夫です。

外の求人条件を見ると、処方箋枚数、薬剤師数、事務人数、薬歴時間、休憩、閉局後作業の有無を比べる材料になります。

ファルマスタッフでは、調剤薬局の求人条件を確認できます。

登録したからといって、必ず応募しなければいけないわけではありません。

まずは、今の職場と外の条件を比べて、薬歴が勤務時間内に終わりやすい職場があるかを確認する使い方もできます。

求人を見るだけの使い方については、ファルマスタッフで求人を見るだけはできる?情報収集の使い方の記事で整理しています。

しおり先輩
しおり先輩

投薬が続いて薬歴まで手が回らないときは、入力速度だけでなく、薬歴時間と人員体制を見てみましょう。外の条件を見るだけでも比較材料になります。

よくある質問

Q
Q. 投薬が続いて薬歴が書けないのは自分が遅いからですか?

A. 自分の入力速度だけが原因とは限りません。投薬が途切れず、薬歴を書く時間が勤務中にない場合は、職場の人員体制や業務設計の影響も大きいです。

Q
Q. 薬歴を書く時間がないとき、何を見直せばいいですか?

A. 投薬が集中する時間帯、薬剤師数、投薬と薬歴の分担、中断の多さ、休憩中や閉局後に薬歴を書く流れになっていないかを確認したいです。

Q
Q. 休憩中に薬歴を書くのが当たり前になっています。

A. 休憩中に毎回薬歴を書く状態が続いているなら、実質的に休めていない可能性があります。薬歴時間を勤務内に作れるか、業務分担や人員体制も含めて整理しましょう。

Q
Q. 求人票で薬歴時間は確認できますか?

A. 求人票だけでは分かりにくいこともあります。応募前や面談時に、薬歴は勤務時間内に書けるか、投薬と薬歴の分担はあるか、閉局後に残りやすいかを確認してよいです。

Q
Q. 外の求人を見るだけでも意味はありますか?

A. 意味はあります。外の求人を見ることで、処方箋枚数、薬剤師数、薬歴時間、休憩、閉局後作業を比べられます。応募するかどうかは、条件を見てから考えて大丈夫です。

参考情報

この記事では、薬歴残業や強いストレスが続く場合の相談先を考えるうえで、以下のページも参考にしています。

まとめ:投薬が続いて薬歴まで手が回らないときは、薬歴時間と人員体制を見る

投薬が続いて薬歴まで手が回らないとき、自分の入力速度だけを責める必要はありません。

投薬が途切れない、薬歴を書く時間がない、人員体制が薄い、中断が多い、休憩中や閉局後に書く流れになっている。

こうした条件が重なると、薬歴は勤務時間内に終わりにくくなります。

まずは「書くのが遅い」のか、「書く時間がない」のかを分けて考えましょう。

薬歴残業が体調に影響している場合は、求人探しより先に休むことや相談することを優先してください。

少し考える余裕があるなら、外の求人条件を見るだけでも、薬歴を勤務時間内に書ける職場かどうかを比べる材料になります。

投薬が続いて薬歴まで手が回らないときは、入力速度だけでなく、投薬量・薬歴時間・人員体制・中断の多さを分けて整理していきましょう。

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しおり先輩
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働き方を整理してくれる先輩薬剤師
薬局勤務を中心に、調剤薬局・病院薬剤師・派遣・パート・正社員など、いろいろな働き方に理解がある先輩薬剤師。 「辞めるか、耐えるか」の二択で悩んでいる薬剤師さんに向けて、今の職場で変えられること、休む選択肢、働き方を変える選択肢、外の求人条件を見る選択肢をやさしく整理します。 転職を急かすのではなく、まずは自分のしんどさを分けて考えることを大切にしています。
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