仕事前に動悸がする薬剤師へ|まず休む選択肢も含めて考える
仕事前になると、動悸がする。
薬局へ行く準備をしているだけで胸がざわざわする。
白衣を着る前から息が浅くなる。
出勤時間が近づくと心臓が速くなる。
投薬や監査のことを考えると落ち着かない。
でも、休むほどなのか分からない。
そんな状態が続くと、「自分が弱いだけなのかな」「薬剤師に向いていないのかな」と考えてしまうかもしれません。
でも、仕事前の動悸を、気合いや根性だけで片づけないでください。

出勤前になると動悸がします。でも、仕事には行かないといけない気がして、どう考えたらいいのか分からないです……。
結論からいうと、仕事前に動悸がする薬剤師は、転職を急ぐ前に、まず今日の安全、休む選択、相談先、体調への影響を先に整理してください。
動悸がある状態で、いきなり「辞めるか続けるか」を決めなくて大丈夫です。
まずは、今日安全に働ける状態なのか。
休んだ方がいい状態なのか。
誰かに相談できるのか。
医療機関につながる必要があるのか。
ここを分けて考えることが大切です。
この記事では、仕事前に動悸がする薬剤師が、転職より先に整理したいことをまとめます。
この記事の結論
・仕事前の動悸を、甘えや気のせいで片づけない
・まず今日安全に働ける状態かを確認する
・強い症状や長引く症状があるなら、医療機関への相談も考える
・休む選択は、逃げではなく安全を守る手段になる
・転職や退職は、少し落ち着いてから考えても遅くない

動悸や涙がある時は、安全を先に考える、休む選択もある、一人で抱えない、相談先を持つ、落ち着いてから決める、という順で整理しましょう。
・安全を先に考える
・休む選択もある
・一人で抱えない
・相談先を持つ
・落ち着いてから決める
仕事前の動悸を、気合いで片づけない
仕事前に動悸がすると、「緊張しているだけ」「みんな我慢している」と思ってしまうかもしれません。
でも、動悸が出るほど出勤がつらい状態は、軽く見ない方がいいです。
薬剤師の仕事には、常に確認と判断が求められます。
投薬。
監査。
疑義照会。
薬歴。
患者対応。
電話対応。
一人薬剤師の時間。
管理薬剤師としての責任。
こうした負担が積み重なると、出勤前から体が反応してしまうことがあります。
もちろん、動悸の原因をこの記事だけで判断することはできません。
だからこそ、「仕事のストレスだけ」と決めつけず、体調面の確認も大切です。
胸の苦しさ、息苦しさ、めまい、強い不安、眠れない状態などがある場合は、無理に自己判断せず、医療機関や相談先につながることを考えてください。
まず今日、安全に働ける状態かを見る
仕事前に動悸があるとき、最初に考えたいのは「今日、安全に働ける状態か」です。
今日、監査に集中できそうか。
投薬中に息苦しくならないか。
通勤中にぼーっとしないか。
薬歴や疑義照会を落ち着いてできそうか。
患者さんの前で崩れそうではないか。
自分を傷つけたい気持ちが出ていないか。
ここは、我慢比べではありません。
薬剤師の仕事は、自分の体調だけでなく、患者さんの安全にも関わります。
動悸が強く、集中できないほどつらいなら、「行くかどうか」より先に、安全を見てください。

動悸がある時は、「休んでいいか」より先に「今日安全に働ける状態か」を確認しましょう。安全確認は、甘えではありません。
動悸だけでなく、眠りや食事も見る
仕事前の動悸があるときは、動悸だけを見ない方がいいです。
眠れているか。
食べられているか。
仕事のことを考え続けていないか。
休みの日も落ち着かないか。
涙が出ることが増えていないか。
相談できる人がいるか。
こうした状態も、あわせて確認しましょう。
出勤前だけでなく、休みの日もずっと仕事のことが頭から離れないなら、かなり負担が大きくなっているかもしれません。

眠れない・食欲がない時は、眠れているか、食べられているか、仕事を考え続けていないか、相談先があるか、休む選択もあるかを整理してください。
・眠れているか
・食べられているか
・仕事を考え続けていないか
・相談先があるか
・休む選択もある
動悸に加えて、眠れない、食べられない、涙が出る、通勤が怖い状態が続いているなら、一人で判断しないでください。
医療機関や外部相談窓口につながることを、早めに考えていい状態です。
出勤前に涙も出ている場合は、出勤前に涙が出る薬剤師が先に考えたいことの記事でも、安全確認と相談先を整理しています。
仕事の何を考えると動悸がするのか分ける
少し落ち着いて考えられるときは、仕事の何を考えると動悸がするのかを分けてみましょう。
「仕事が嫌」と一言でまとめると、原因が見えにくくなります。
でも、分けてみると、負担の形が見えてくることがあります。
・投薬を考えるとつらい
・監査ミスが怖い
・疑義照会が怖い
・薬歴が終わらないのがつらい
・一人薬剤師の時間が怖い
・管理薬剤師や上司との関係がつらい
・患者対応やクレームが怖い
・朝の通勤前が一番つらい
たとえば、監査ミスが怖くて動悸がするなら、疲労や人員体制、確認時間の不足が関係しているかもしれません。
一人薬剤師が怖いなら、相談先や応援体制の少なさが負担になっている可能性があります。
人間関係を考えると動悸がするなら、業務量ではなく、職場内の関係性が限界に近いのかもしれません。
原因を一つに決めつける必要はありません。
ただ、「何を考えた時に体が反応するのか」を分けると、次に相談する内容が少し見えやすくなります。
薬剤師を辞めたい気持ち全体を整理したい場合は、薬剤師を辞めたいと感じたとき、まず転職以外も整理するの記事も参考になります。
休む選択は、動けなくなる前に考えていい
仕事前に動悸がしても、「休むほどではない」と思ってしまう人は多いです。
薬局は人が少ない。
自分が休むと現場が回らない。
管理薬剤師に何か言われそう。
薬歴や在宅が残りそう。
患者さんに迷惑がかかるかもしれない。
そう考えると、休むこと自体が怖くなります。
でも、動悸が強く、集中できない状態で無理に出勤し続けることも危険です。
休むことは、仕事を放り出すことではありません。
心身を立て直し、安全に働ける状態を取り戻すための選択肢です。
・動悸が強くて落ち着かない
・通勤や業務に集中できない
・眠れていない
・食べられていない
・投薬や監査に入るのが怖い
・患者対応中に崩れそう
・自分を傷つけたい気持ちがある
このような状態があるなら、出勤するかどうかを一人で抱え込まず、職場や家族、医療機関、外部相談窓口に相談してください。
一人で抱えないための相談先を持つ
仕事前の動悸が続くと、だんだん「誰にも言えない」と感じやすくなります。
薬剤師なのに体調を崩していると言いづらい。
職場に迷惑をかけたくない。
上司に弱いと思われたくない。
家族にも心配をかけたくない。
でも、一人で抱えるほどつらくなる。
この状態を、一人で抱え続けないでください。
相談先は、職場の中だけでなくて大丈夫です。

一人で抱えないためには、職場内の相談相手、家族、友人、外部の相談窓口、医療機関など、複数の相談先を持つことが大切です。
・職場内の相談相手
・家族
・友人
・外部の相談窓口
・医療機関
職場の人に話しにくい場合は、まず家族や友人に「仕事前に動悸がする」とそのまま伝えてもいいです。
医療機関に相談するときも、「仕事前に動悸が出る」「眠れない」「食欲が落ちている」「出勤前が怖い」といった事実を伝えれば大丈夫です。
消えたい気持ち、自分を傷つけたい気持ち、今すぐ危ないと感じる状態がある場合は、この記事を読み進めるより、身近な人、医療機関、救急窓口、地域の相談窓口などにすぐつながってください。
職場に伝える時は、細かく説明しすぎなくていい
動悸があって休みたい時や相談したい時、職場にどう伝えるか悩むと思います。
「仕事前に動悸がします」と言いにくい場合もあります。
その場合は、無理に全部を説明しなくて大丈夫です。
体調不良で出勤が難しい。
安全に業務へ入れる状態ではない。
一度、勤務や業務量について相談したい。
医療機関を受診したい。
まずは、必要なことを短く伝えましょう。
・体調不良のため、本日は出勤が難しいです
・安全に業務へ入れる状態ではないため、休みを相談したいです
・動悸があり、受診も含めて相談したいです
・勤務や業務量について、一度相談させてください
出勤前に動悸がある状態で、完璧に説明しようとしなくて大丈夫です。
まずは、今日の安全を確保することを優先してください。
動悸がある時に、いきなり転職を決めなくていい
仕事前に動悸がするほどつらいと、「もう辞めるしかない」と思うかもしれません。
もちろん、今の職場から離れた方がいい場合もあります。
ただ、動悸が出ている真っ最中に、退職や転職を一気に決めようとすると、判断が苦しくなります。
まずは、体調を落ち着かせる。
休む必要があるか見る。
相談先につながる。
医療機関も考える。
そのあとで、働き方を見直す。
この順番で大丈夫です。

辞めるか続けるかは、まず落ち着く、相談する、条件を見直す、外の条件を見る、という流れで考えても遅くありません。
・まず落ち着く
・相談する
・条件を見直す
・外の条件を見る
・補足:決めるのはその後でもいい
薬剤師に向いていないのかも、と感じるほど追い込まれている場合は、薬剤師に向いてないかもと思ったときの整理ポイントの記事で、向き不向きと職場環境を分けて確認しています。
落ち着いたら、今の職場で変えられることを見る
体調が少し落ち着いたら、今の職場で変えられることがないかを見てもいいです。
ただし、これは「我慢し続ける」という意味ではありません。
動悸が出るほどつらい原因が、業務量なのか、人間関係なのか、シフトなのか、一人時間なのかを分けるためです。
たとえば、シフトを変えられるか。
担当業務を減らせるか。
休憩を取りやすくできるか。
相談できる人を増やせるか。
残業や薬歴の残り方を見直せるか。
職場内で変えられることがあるなら、まず相談してみる選択もあります。
一方で、相談しても変わらない、体調に出続ける、安全に働けないという状態なら、働き方を変える選択肢も考えていいです。
外の求人を見るのは、少し落ち着いてからでもいい
仕事前に動悸がする状態でも、外の求人条件を見ることが判断材料になる場合はあります。
今の職場以外にも、勤務時間、休憩、人員体制、通勤、仕事内容が違う職場はあります。
外の条件を見ることで、「今の職場だけがすべてではない」と分かることもあります。
ただし、動悸が強い真っ最中に、無理に求人を探し込む必要はありません。
求人を見るのは、安全と相談先を確保して、少し落ち着いてからでも大丈夫です。
求人を見るだけの考え方は、ファルマスタッフで求人を見るだけでも意味はある?の記事でも整理しています。

動悸がある時は、求人を見るより先に安全と相談先です。外の条件を見るのは、少し落ち着いてからでも大丈夫です。
参考情報
この記事では、仕事前に動悸がするほどつらい状態を一人で抱え込まないために、厚生労働省の働く人向けメンタルヘルス情報も確認しています。
仕事前に動悸がする時の最終チェック
最後に、仕事前に動悸がする時の確認ポイントをまとめます。
今すぐ全部を解決しようとしなくて大丈夫です。
まずは、今日の安全と相談先を確保することから考えてください。
・今日、安全に働ける状態か
・動悸が強くて落ち着かない状態ではないか
・眠れているか、食べられているか
・通勤や業務に集中できそうか
・休む必要があるか
・相談できる人がいるか
・医療機関や外部窓口につながる必要があるか
・退職や転職を今すぐ決めようとしていないか
よくある質問
- Q. 仕事前に動悸がするのは甘えですか?
-
A. 甘えと決めつけないでください。動悸が出るほど仕事前につらい状態は、心身の負担が大きくなっているサインかもしれません。まず今日安全に働ける状態かを確認しましょう。
- Q. 動悸があっても出勤した方がいいですか?
-
A. 状態によります。動悸が強い、眠れていない、通勤や業務に集中できない、監査や投薬に入るのが怖い場合は、出勤より安全と相談を優先してください。
- Q. 動悸がある時は病院に行くべきですか?
-
A. この記事だけで判断せず、強い症状や長引く症状、胸の苦しさ、息苦しさ、めまい、不安が強い状態がある場合は、医療機関への相談を考えてください。急に危ないと感じる場合は救急窓口も含めて相談してください。
- Q. 仕事前に動悸がするなら転職した方がいいですか?
-
A. 転職が必要な場合もありますが、動悸が出ている真っ最中に急いで決めなくて大丈夫です。まず休む、相談する、医療機関につながる、今のしんどさを分けることを優先しましょう。
- Q. 誰にも相談できない時はどうすればいいですか?
-
A. 職場の人に話しづらい場合は、家族、友人、外部の相談窓口、医療機関など、職場外の相談先につながってください。つらい気持ちが強い場合は、一人で抱えないことを優先しましょう。
まとめ:仕事前に動悸がする時は、転職より先に安全と相談を優先する
仕事前に動悸がするのは、甘えではありません。
心や体が、今の働き方に強く反応している可能性があります。
まずは、今日安全に働ける状態かを確認してください。
動悸が強い、眠れていない、食べられていない、通勤や業務に集中できない場合は、休む・相談する・医療機関につながることを優先しましょう。
退職や転職は、少し落ち着いてから考えても遅くありません。
仕事前につらい時は、安全を先に考える、休む選択もある、一人で抱えない、相談先を持つ、落ち着いてから決める、という順で整理してください。
もし働き方を変える必要があると感じたら、外の求人条件を見るのはその後でも大丈夫です。
仕事前に動悸がする薬剤師は、「行くか辞めるか」の二択で自分を追い込まず、まず安全・休む選択・相談先を優先して、落ち着いてから次の働き方を考えていきましょう。

